エピソードガイド７ - スパイドラマ倶楽部別館

スパイドラマ倶楽部・別館-スパイ大作戦専門館

エピソードガイド７

153 極秘指令地獄からの救出 Leona

【目的】シンジケートに連れ去られた秘密捜査官を捜し出し救出すること
【指令】おはよう、フェルプス君。　写真はシンジケート傘下の強力なファミリーのリーダー、マイク・アポロと、彼の右腕として信頼されてきた実は連邦政府の秘密捜査官ルー・パーネルである。ところがパーネルは素性が発覚し、３６時間前にいずこかへ連れ去られた。
　そこで君の使命だが、パーネルを捜し出し救出することにある。例によって君もしくは君のメンバーが捕らえられ、あるいは殺されても当局は一切関知しないからそのつもりで。なお、このテープは自動的に消滅する。　成功を祈る。
【スタッフ】
脚本: ハワード・ブラウンHoward Browne
製作: バリー・クレーンBarry Crane
監督: レスリー・Ｈ・マーティンソンLeslie H Martinson
【ゲスト出演】
ジョー・エピック：ロバート・ゴーレットRobert Goulet as Joe Epic
エディス：ピパ・スコットPippa Scott as Edith Thatcher
マイク・アポロ：デューイ・マーティンDewey Martin as Mike Apollo
コルドヴァ：ネイト・エスフォームズNate Esformes as Jules Cordova
ルー・パーネル：ウィリアム・ボイエットWilliam Boyett as Louis Parnell
ケリー：ブルース・ワトソンBruce Watson as Kelly
レオナ・エピック：ビヴァリー・ラルストン　Beverly Ralston as Leona Epic
私服警官：ディック・ヴァレンティンDick Valentine as Plainclothesman
【場所】①指令（媒体）：ある部屋の鏡の前でオープンテープレコーダーを聞く
②舞台：アメリカ国内
【役割】ジム：パーマー（保険会社）
ケーシー：レオナ・エピックに変装→エバンズの部屋の覗き見
バーニー：エピック宅侵入→アパートの警備員
ウイリー：エピック宅侵入→タクシー運転手
【道具】①高性能マイク
【見所】（06分00秒）レオナの姿を見るエピックは追いかけるが見失ってしまう
（12分50秒）アポロ宅の陰に隠れていたジムが捕まるが、エピックが逃がしてやれと指示する
（20分00秒）電話を取ると窓にレオナの顔が写り、復讐してと言うのを見てエピックはレオナと叫ぶ
（23分50秒）もう二度と来るなと言うエピックに、レオナは愛人のところに通っていたと告げるジム
（26分00秒）アポロの拷問を受け、自分一人でやったと言うパーネルにさらに拷問を加える
（30分30秒）アパートのエバンズの部屋に入ったエピックはレオナの写真を見つける
（33分00秒）ジムがぐったりしたとエディスより電話が入り、コルドヴァをよこすと言うアポロ
（39分40秒）バーニーがアポロを指差して、あそこに座っている人ですと証言する
（44分30秒）地下からパーネルを連れてきたところを警官隊が突っ込む
【疑問点】①エピックの秘書エディスがアポロのスパイだということをエピックは知らなかったのだろうか？
【粗筋】アポロに捕らえられたパーネルはいずれ殺される運命にあり、彼を助けられるのは我々だけと言うジムである。ケーシーはレオナ・エピックに変装して、ジョー・エピックの前に現れてすぐに姿を消し、エピックはレオナを探すが見つからない。ジムは保険会社員としてエピックの事務所を訪れ、エピックがレオナを殺して１０万ドルを受け取ったと言い残して帰る。アポロ宅ではアントン・マルタン、ジョー・エピック、マイク・アポロが会食中、ジムが陰に隠れていたところを見張りに引っ張られるが、エピックは帰してやれと指示をする。エピックはエレナを見たとマルタンとアポロに話し、本当じゃないのはわかっているんだが、寂しいんだと漏らすのである。そして、エピックが自宅に帰宅すると、階下で音楽が聞こえたり、シャワールームでレオナの歌声が聞こえたりするが、確認しにいくと消えてしまう。また、電話を取ると窓にエレナの顔が写り、復讐してと言う姿を見てレオナと叫ぶのである。アポロはエピックの秘書エディスよりジムのことを聞き出し、コルドヴァに見張りを指示する。翌日、ジムは再びエピックを訪ね、もう二度と来るなというエピックに、レオナは愛人のところに通っていたと言うジムにエピックは逆上する。しかし、気になるエピックは、タクシーの運転手であるウイリーを呼びつけ、イーストサイドまで毎週火曜日と木曜日に呼び出しがかかったことを聞く。ウイリーにそこへ案内しろと言い、さらに、アパート警備員のバーニーの口からエバンズという名前を聞き出す。エバンズの部屋に入ったエピックは、レオナの写真とアポロの写真を発見する。そして、緊急総会の開催をマルタンに要求し、エディスよりジムがぐったりとしたと電話が入り、コルドヴァはジムを連行し緊急総会で証言させる。緊急総会ではエピックがマイク・アポロを裏切者として糾弾したいと提案し、家内のレオナを誘惑し、別れ話を持ち出したレオナを殺したと続ける。アポロは、"話はわかった、皆さん聞いたぞ、その証拠を見せろ"と自信を持って発言する。ウイリーが証人として呼ばれ、毎週火曜日と木曜日にイーストサイドまでタクシーに乗せていたことを証言し、バーニーも証人として、写真の女性がエバンズさん、すなわちレオナ、もう一人の写真の男がアポロと証言するのだ。これに対してアポロはエピックが保険屋のジムと組んで俺の縄張りを取ろうとしていると反論をする。続いてジムが呼ばれるが、"あんたがデッチあげた作り話をか、レオナは薬をもられて風呂場で殺された節があり、犯人は旦那か情事の相手のどちらか"と断言する。その結果、マルタンはエピックかアポロのどちらかが制裁を受けなければならないと言うのに対して、聖パトリックデーにはパーネルと一緒にいたとアポロが思い出し、地下室からパーネルを証人として連れてきたところに警官隊が踏み込むのである。ジムは奥さんとアポロは何の関係もなかったよとエピックに告げるのであった。
【解説】リンダ・デイ・ジョージのお腹も大きくなってしまい、ケーシーはエピックの亡き妻レオナに変装するので、ほとんど、素顔を見せることがなく、本エピソードをもってしばらく産休に入る。ＩＭＦは例によって敵アポロとエピックの仲に亀裂を入れる作戦を取る。どちらかというと、エピックの方が狙いやすかったのか、エピックに亡き妻の幽霊を見せるという大胆な作戦に出る。死者の幽霊を見せる現実離れした作戦は、「血の粛清」や「消えた汚染死体」など、今までは高齢の敵に対して用いられたが、エピックはそれだけ甘く見られたということか。
　そして、さらにエレナが生存中にエピックに隠れて浮気をしていたという話を持ちかけるのだ。ウイリーとバーニーがその密会の現場に案内する。エピックはレオナとアポロの写真を発見し、レオナとアポロが浮気をしていたと確信してシンジケートの緊急総会の開催を要求する。
　緊急総会では、バーニーとウイリーがエピックの主張を裏付けるような証言をした後、アポロはエピックとジムが組んで自分の縄張りを狙っていると主張する。お互いが反論しあう中、ジムがエレナ殺しの犯人はエピックかアポロのどちらかと断言することにより、シンジケートのボスはエピックかアポロのどちらかが制裁を受けなければならないと裁定を下す。
　ここまで来ると、今回のＩＭＦの任務が何であったかすっかり忘れてしまうほど、作戦が複雑になってしまっている。いつもだと、ここで二人がいがみ合って片方がもう片方を殺してしまうというパターンなのだが、今回は、アポロによって監禁されている秘密捜査官の救助が目的なのだ。今まで延々と続いた作戦の結果がやっと次のシーンで明らかになるのだ。
　アポロはエレナの死んだ聖パトリックデーには、監禁している秘密捜査官と行動をともにしていたことを思い出すのだ。そして、地下室から証人として秘密捜査官を連れてきたところで、警官隊が踏み込むのであった。最後に、気の毒に思ったのか、ジムがエピックに奥さんはアポロとは何の関係もなかったよと慰めるのは印象に残るシーンである。