スパイドラマ倶楽部・別館-スパイ大作戦専門館



エピソードガイド7



157 架空殺人事件 Crack-Up
【目的】殺し屋の口を通して誰が殺しを請け負わせているのか、その人物を突き止めること
【指令】おはよう、フェルプス君。 腕も立ち頭も切れる殺し屋ピーター・コーデルは、今までに少なくとも九人の人間を殺していると思われるが、その証拠はな く、また彼を動かしている背後関係についてもシンジケートの誰であるかわかっていない。
 そこで君の使命だが、コーデルの口を通して誰が彼に殺しを請け負わせているのかその人物を突き止めることにある。例によって君もしくは君のメンバーが 捕らえられ、あるいは殺されても当局は一切関知しないからそのつもりで。なお、このテープは自動的に消滅する。 成功を祈る。
【スタッフ】
原案: ロバート&フィリス・ホワイト&アーサー・ウェイズRobert & Phyllis White & Arthur Weiss
脚本: アーサー・ウェイズArthur Weiss
製作: バリー・クレーンBarry Crane
監督: サットン・ローリーSutton Roley
【ゲスト出演】
ピーター・コーデル:アレックス・コードAlex Cord as Peter Cordel
サンディ:マリリン・メイソンMarlyn Mason as Sandy
ハリー・コーデル:ピーター・ブレックPeter Breck as Harry Cordel
タイラー:キャサリーン・コーデルCathleen Cordell as Mrs. Taylor
医師:ジョン・ピッカードJohn Pickard as Doctor
運転手:エドワード・ナイト Edward Knight as Driver
紳士:アール・エビ Earl Ebi as Gentleman
バーテン:ボブ・ケナリーBob Kenneally as Bartender
アドラー:アーサー・フランツArthur Franz as Dr. Adler
【場所】@指令(媒体):オートバイをいじっている男に混合燃料の配分を32対1にしてみたらと言って、オープンテープレコーダーを受け取る
A舞台:アメリカ国内
【役割】ジム:グレゴリー博士(精神科医師)
サンディ:レスリー・ハーパー
バーニー:ウィリアム警部
ウイリー:コーデルの取り次ぎ→看護人
アドラー医師:コーデルに殺される役
【道具】@隠しカメラ
A無線:眼鏡に仕込む
B催眠薬:指輪に仕込む
Cチェスの手を指示するコンピューター
【見所】(07分50秒)ビショップをナイトの7で王手積みとジムがコーデルにチェスで勝利する
(11分50秒)"怪しいと思ったら歩を取れ"とアドラー医師が言い、自分の額に血糊をつける
(14分20秒)ウイリーがハーパーを出迎え、コーデルの取り次ぎと言って奥の部屋で殴り倒す
(18分20秒)当分チェスクラブに近づかないように弟に言っておけとハリーにボスの使いが告げる
(28分40秒)ウイリーの車がコーデルの兄ハリーの車に突っ込む
(29分30秒)バーニーを射殺してしまったコーデルは逃走する
(32分00秒)自分の兄貴を射殺してしまったことに気がつくコーデル
(36分10秒)コーデルの個室に看護人が乱入し追いつめ、コーデルは助けてくれと叫ぶ
(44分00秒)ハリーより電話を受け、婦警さんがチェスに詳しいとは知らなかったと言うアレックス
【疑問点】@2度目のチェスの試合時、バーニーはコンピューターについていたのだろうか?
【粗筋】ジムはグレゴリー博士としてピーター・コーデルにチェスの試合を挑み、バーニーのコンピューターの力を借りて勝利するのである。別れ際に、車の中 のコーデルにジムは催眠術をかけ、これからある指示を出すが、私の言う通りにしろ、次の言葉を聞いたら深い眠りに入り、"怪しいと思ったら歩を取れ"だ。 名前を呼ばれたら目を覚ませ、と命令するのだ。その後、アドラー医師がコーデルに近づき、"怪しいと思ったら歩を取れ"と告げると、コーデルは気を失い、ア ドラーは自ら血糊を額に塗り、気がついたコーデルに自分を殺害したと見せかけるのだ。一方、レスリー・ハーパーが予定の便に乗っていないことで、バーで ウイリーが待機するが、ハーパーが現れるとコーデルの取り次ぎと言って、奥の部屋に連れていって殴り倒して割符を入手するのだ。そして、コーデルがバ ーに現れると、サンディがレスリー・ハーパーと名乗って割符を見せる。翌日、ボスの使いはチェスクラブの殺人事件の記事を兄貴のハリーに見せて、弟をチ ェスクラブに近づけるなと忠告をする。サンディは仕事抜きでうちに来てもらいたいわとコーデルに色気で迫る。そこへウィリアム警部(バーニー)がやってき て、コーデルのアリバイを聞くが、サンディは嘘のアリバイを証言する。再試合でジムとコーデルがチェスクラブにやってくるが、試合前に雑談としてジムがベト ナム戦争帰りの患者のことを語り、彼は妄想が妄想を呼び結局上官を殺してしまったと言い、コーデルは試合の延期を申し入れる。そして、コーデルがチェス クラブから出てきたところ、バーニーが呼び止めて取り調べを始めようとするが、外で弟のことを見張っていたハリーは、弟のところに車を移動しようとしたとこ ろへ、ウイリーの車が衝突して邪魔をする。その隙にバーニーは、"怪しいと思ったら歩を取れ"と告げ、コーデルは気を失い、銃声が聞こえてハリーが駆けつ けると、バーニーが血を流して倒れているのである。慌てて自宅に帰るコーデルのところへ、ハリーが心配して駆けつけるが、再びコーデルの気を失わせて 兄貴殺しを演出するIMFである。そして、精神病院に連れていかれるコーデルだが、ジムはやさしくいたわる。その後、看護人がコーデルの病室に乱入して 追いつめ、ブザーを鳴らし続けるコーデルにウイリーはホテルじゃないと叱るのだ。その後、サンディが面会にやってきて、ボスに会ってここから出さないとボ スの名前をばらすという伝言をコーデルは頼む。早速、サンディはボスに電話をし、会う約束を取りつける。そして、車に乗せられたサンディは本人かどうかを 確かめると、話した相手ではなく運転手が答えるのである。その時、警官を殴り倒してハリーがアレックスに電話をし、"婦警さんがそんなにチェスが詳しいと は知らなかった、逃がすなよ"と言って、車を出そうとするところをパトカーが包囲するのである。サンディは前の男よとジムに知らせるのであった。
【解説】このエピソードには、第2シーズンの「王手!」でも登場したチェスの手を指示するコンピューターが登場する。「王手!」では敵にそのコンピューターを 見せて罠にかける作戦だったが、今回はコンピューターにあまり重点を置かない作戦で、顔見せ程度の役割しかなく、「死を呼ぶカード」で見られたような敵 に催眠術をかけたり、心理作戦をうまく駆使したりして罠に陥れるのだ。
 チェスの勝負が終わった後、IMFはコーデルに催眠術をかけて、"怪しいと思ったら歩を取れ"という言葉を聞くと、コーデルが凍るように動かなくなって我を 忘れてしまう状態にするのだ。そして、知らぬ間に自分が殺人を犯してしまうことにコーデルは驚き悩むのだが、また、その姿が面白く描かれているので見て いて笑わずにはいられないくらいだ。まず、催眠術をかけたアドラー医師がコーデルに殺されたことを偽装し、続いて、アドラー医師殺しを捜査する警官役の バーニーが、コーデルに"怪しいと思ったら歩を取れ"と呟くと、コーデルは気を失い、気づくとバーニーを殺した自分に驚くのである。そして、心配して駆けつけ た兄をも同様にコーデルは殺してしまったと思うのである。
 さらに、IMFはコーデルを精神病院に入れて、ジムはやさしく振る舞うものの、その後に登場する看護人がコーデルを追いつめたり、ウイリーはうるさいと叱 ったり冷たく扱うのだ。そこへ、今回のIMFの助っ人サンディがコーデルに面会すると、ボスに会ってここから出さないとボスの名前をばらすという伝言を頼む のだ。これによってIMFはボスに接触できる大きな手掛かりを得ることになる。
 サンディは黒幕のシンジケートのボスに会いに行くが、車には二人が乗っており、一人は後部座席、もう一人は運転席に座っている。常識からすると後ろに 座っているのがボスであるが、今回は敵も考えており、サンディはチェスに関するキーワードを後ろに座っている人物に尋ねる。サンディの意に反して、答える のは運転席に座っている人物なのだ。その時、手下から連絡が入りサンディの素性がばれてしまい、運転手は婦警がチェスにそんなに詳しいとは思わなか ったと皮肉を言うのも束の間、ジムに前の男よとボスを指差すサンディであった。


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