スパイドラマ倶楽部・別館-スパイ大作戦専門館



エピソードガイド7



158 細菌兵器TOD−5   TOD-5
【目的】毒ガスと細菌兵器で世界制覇を企むグループの野望を粉砕すること
【指令】おはよう、フェルプス君。 国立細菌研究所の研究員ポール・モースはTOD−5という極秘細菌兵器をアルファグループと称するテロリストの一味に売 り渡そうとしている。アルファグループはフローリー博士を首領と仰ぎ、毒ガス及び細菌兵器の威力を背景にテロを以てアメリカを、そしてやがては世界制覇を 企んでいるものと思われる。しかし今のところモースに接触してきた元諜報員ゴードン・ホルト以外にアルファグループの本拠への手がかりは全くない。
 そこで君の使命だが、このアルファグループの野望を粉砕することにある。例によって君もしくは君のメンバーが捕らえられ、あるいは殺されても当局は一切 関知しないからそのつもりで。なお、このレコードは自動的に消滅する。 成功を祈る。
【スタッフ】
脚本: ジェームズ・J・ブキャナン&ロナルド・オースチンJames D Buchanan & Ronald Austin
製作: バリー・クレーンBarry Crane
監督: ルイス・アレンLewis Allen
【ゲスト出演】
ゴードン・ホルト:ピーター・ハスケルPeter Haskell as Gordon Holt
フローリー博士:レイ・ウォルストンRay Walston as Dr. Victor Flory
ラルフ・デーヴィス:マイケル・コンラッドMichael Conrad as Ralph Davies
ポール・モース:ロス・エリオットRoss Elliott as Paul Morse
アルファの女性:スーザン・ブラウンSusan Brown as Alpha Woman
グリーン:ジェームズ・マカリオンJames McCallion as Green
事務員:オーウェン・ブッシュOwen Bush as Clerk
叫ぶ女性:ペグ・スチュワート Peg Stewart as Screaming Woman
【場所】@指令(媒体):ある部屋の家具の中からLPレコードを取り出す
A舞台:アメリカ国内
【役割】ジム:TOD−5奪取→保安官
ミミ:シャリー(トムの恋人)
バーニー:TOD−5奪取→ラジオの工作→軍人
ウイリー:ジョージ
【道具】@偽のTOD−5
A特殊な注射セット:皮膚がただれる
Bラジオ装置
C時計型発信機
【見所】(07分40秒)ポール・モースよりTOD−5を奪い取るジムとバーニー
(12分50秒)女性の悲鳴が聞こえると、ホテルの外で男性が倒れていて、全身の皮膚がただれている
(18分10秒)TOD−5のボンベを見つけるホルトは車に積んで走らせるが、ジムに戻れと言われる
(22分50秒)怪しい男の指紋からラルフ・デーヴィス、アルファグループのメンバーと判明する
(26分10秒)修理工のウイリーが発病して死んだことをミミがホルトに知らせる
(27分50秒)ウイリーの死体の他に多数の死体を見つけるが、バーニーに捕まってしまう
(29分40秒)ホルトが帰ろうとするが、あなたも手遅れだと傷を示すバーニー
(37分30秒)カバンを受け取るデーヴィスの隙を見て発砲するが、流れ弾がミミに当たり負傷して時計も壊れる
(41分20秒)センターに着き、フローリー博士に肌身離さず持っていると告げ、解毒剤作成を頼むホルト
(44分30秒)時計型発信機とホルトが生き返ったことに、これは罠だと叫ぶフローリー博士
【疑問点】@最後に病室でミミにアルファグループが壊滅したことをジムが話すが、ヨーロッパにおけるケーシーの活躍については劇中で語られない
【粗筋】ポール・モースよりTOD−5を奪い取るジムとバーニーだが、TOD−5がなくても奴等は秘密兵器をたくさん持っているとモースは言う。ゴードン・ホル トはホテルに行くが、13号室にポール・モースが泊まっていないことを不審に思い、12号室に泊まって13号室を覗くが何も発見されない。そして、車が動か ずボーイのウイリーに何か細工しただろうと食ってかかるホルトだが、保安官のジムがウイリーは正直者だとかばう。その時、女性の悲鳴が聞こえ、ジム、ウ イリー、ホルトが駆けつけると、ホテルの外では男性が倒れ、全身の皮膚がただれており、伝染病の可能性があると大騒ぎになる。ホルトはウイリーの目を 盗んで、駐車場からTOD−5のボンベを見つけると、車を盗んで走らせるが、道路が閉鎖されていてジムから戻れと指示される。渋々戻ったホルトがミミに友 達のことを聞くと、鉄の棺に入れられて軍隊が来て部屋が消毒され、皆具合が悪いのよとミミは答える。そして、ホテルの部屋でミミはホルトを注射で眠らせ た後、皮膚がただれる注射を打つのだ。ホルトが目を覚ますと、ミミは向かいの修理工のウイリーが発病して死んだことを知らせ、遺体はまだ取りにきていな いことを話す。早速、ホルトは見に行くのだが、ウイリーの死体の他に多数の遺体を見つけてしまう。そこへ軍人のバーニーが現れ、解毒剤もなく1万人に1 人免疫体を持つ者がいるが、それをもとに解毒剤を研究しているところだと言う。ホルトが帰ろうとすると、あなたも手遅れだと傷を示すバーニーだが、それを 振り切って逃げるホルトである。ホテルの部屋に戻り、ミミが何でもないのを見て、ホルトは彼女が免疫体を持っていると思い、センターに連れていくことにな る。ジムらはミミの時計型発信機をたよりに尾行するが、途中でラルフ・デーヴィスの邪魔が入り、銃撃戦となってしまう。TOD−5のカバンを受け取るデーヴ ィスの隙を見てホルトが銃を撃つが、ミミに流れ弾が当たって負傷をするとともに、時計型発信機も壊れてしまう。そこで、ジムはデーヴィスを脅してセンター の場所を聞き出し、二人を追跡する。センターに到着したホルトは、フローリー博士がTOD−5はどうしたと聞くのに対して、肌身離さずに持っているということ を示して解毒剤を作ってくれと頼む。ミミを殺せと言うフローリー博士に彼女は大事な免疫体だから殺すなと言い残し、仮死状態に陥るホルトである。ところ が、ミミの持っている時計に発信機が入っており、ホルトも息を吹き返し、これは罠だと言ってクローリー博士は二人を殺そうとするが、そこにIMFが踏み込ん で取り押さえるのである。ホルトが生きていると喜ぶと、死なれちゃ困ると皮肉るバーニーであった。
【解説】大量殺戮を招く細菌兵器を扱ったものとして、第1シーズンの「大量殺戮者」や第3シーズンの「生体実験」などがあるが、いずれも市中を汚染する前 にIMFがくい止めた。ところが、この「細菌兵器TOD−5」でのIMFは、TOD−5に似た症状を出す薬を使用して、あたかもTOD−5によって町が汚染された ということを偽装する。これはテロリスト集団であるアルファグループなる組織の本拠地を掴むための謀略なのだ。
 TOD−5をうまく奪い取ったIMFは、それを受け取ることになっていたホルトに対して、町が既にTOD−5によって汚染されていることを偽装し、ホルトの目 の前で体中の皮膚がただれた患者が次々と死んでいくのを見せるのだ。ミミはホルトを眠らせて皮膚がただれる注射を打った後、ウイリーが死んだことを伝 えると死体を見にいき、ホルトは多数の死体を発見してしまう。そこへ、バーニーが現れて1万人に一人免疫体を持つ者がいて、それを元に解毒剤を研究中 ということと、ホルトも発病していることを告げるのだ。
 ミミが何でもないのを見て、1万人に一人の免疫体を持っていると思い、ホルトはミミをセンターに連れていこうとする。時計型発信機をミミに持たせて追跡 するIMFだが、途中で邪魔が入って銃撃戦となってミミが負傷し、時計型発信機も壊れてしまうという最悪のパターンでミミを見失ってしまうのだ。何とか邪魔 に入った奴を吐かせて目的地を突き止めるのであった。
 フィナーレのセンターでのホルトと首謀者フローリー博士らの演技は秀逸である。TOD−5はどうしたと聞く博士に対して、ホルトは肌身離さず持っていると 体を張ってみせ、解毒剤を作ってくれと頼む。ミミを殺せという博士だが、ホルトは大事な免疫体だから殺すなと言い残して仮死状態に陥る。ミミが発信機を 持っていることに気づき、ホルトも息を吹き返したので、博士はこれは罠だと二人を殺そうとするが、そこへ、IMFが踏み込むのである。最後に、生きているこ とに喜ぶホルトに死なれちゃ困ると皮肉るバーニーであった。


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