スパイドラマ倶楽部・別館-スパイ大作戦専門館



エピソードガイド7



159 500万ドル麻薬合成計画 Cocaine
【目的】コカインブローカーと卸元業者間の取引で現物を押さえること
【指令】おはよう、フェルプス君。 カール・リードは合衆国きってのコカインブローカーであり、フェルナンド・ラローカはその卸元である。この二人のやり口は極 めて巧妙で、現物の引き渡し・支払など取引の実態は一切掴めていない。ところでそのラローカが三日以内に未だかつてない大量のコカインを合衆国のリー ドあてに密輸するという情報が入った。
 そこで君の使命だが、その現物を押さえることにある。例によって君もしくは君のメンバーが捕らえられ、あるいは殺されても当局は一切関知しないからそ のつもりで。なお、このテープは自動的に消滅する。 成功を祈る。
【スタッフ】
原案: ノーマン・カトコフ&ハロルド・リビングストンNorman Katkov & Harold Livingston
脚本: ハロルド・リビングストンHarold Livingston
製作: バリー・クレーンBarry Crane
監督: レザ・S・バディイReza S. Badiyi
【ゲスト出演】
ジョセフ・コンラッド:ウィリアム・シャトナーWilliam Shatner as Joseph Conrad
カール・リード:ステファン・マクナリーStephen McNally as Carl Reid
スタンレー:ミルトン・セルツァーMilton Selzer as Stanley
フェルナンド・ラローカ:グレゴリー・シーラGregory Sierra as Fernando Laroca
サミュエル:トル・アヴェリーTol Avery as Samuels
サントロ:ミゲール・ランダ Miguel Landa as Rene Santoro
アリス:アネット・モーレン Annette Molen as Alice Chambers
ブルース・レナード少尉:キング・ムーディKing Moody as Detective Lieutenant Bruce Leonard
所有者:バーバラ・ダロウBarbara Darrow as Proprietress
スティーヴ:エミール・ボウカードEmile Beaucard as Steve
【場所】@指令(媒体):ある実験室の中で本の形をした容器の中からオープンテープレコーダーを取り出す
A舞台:アメリカ国内
【役割】ジム:フランク・ファロン
ミミ:キャンディー・コリー(麻薬で4回の逮捕歴)
バーニー:ベーカー
ウイリー:調査会社のデータすり替え→コードウェル教授
【道具】@床の下がスイッチでスライドする
Aコカイン合成製造機
B催眠針
【見所】(02分40秒)タツノオトシゴの彫刻の作成者サントラを射殺する
(09分10秒)ミミが客と仲良くなるとクビが飛ぶと言うが、コンラッドを自分のアパートに誘う
(14分40秒)柱のスイッチを押し、床の下からコカインを取り出すコンラッド
(18分30秒)コンラッドがバーニーを呼び出すが、このベーカーを金で買おうと思うなと断られる
(22分10秒)コンラッドはミミにコカインの出所を聞こうとするが、ファロンから聞いてと言うミミ
(24分30秒)ジムはコンラッドをウイリーの研究所に案内する
(28分00秒)素晴らしいと言うスタンレーに、触媒を見つけたとウイリーが顕微鏡の中を見せる
(32分10秒)出口まで送ってやるよとバーニーは、スタンレーを催眠針で刺して銃殺したように見せる
(35分20秒)ウイリーの作ったコカインが全部砂糖であることが判明する
(39分10秒)ラローカがリードのところに現れ、金はフリケットゴルフクラブのロッカーと教える
(40分50秒)コンラッドはラローカの手下よりエームス美術商の彫刻の中と聞き、手下を射殺する
(45分00秒)コンラッドが彫刻を取ろうとしたところにリードが現れ、そこへ警官隊が踏み込む
【疑問点】@ウイリーがどのようにコカインを砂糖にしたのかは劇中では語られていない。また、ベーカーとの取引でジムとウイリーが裏切って500万ドル持ち 逃げするが、一歩間違えれば二人はやられていたのでは?
【粗筋】フランク・ファロンより店を借りたIMFは、ジムがファロンになりきって、コンラッドが客として店に現れる。ホステスのミミを気に入ったコンラッドはデート に誘うと、この店は客と仲良くなるとクビが飛ぶと警戒してみせるが、結局自分の方からアパートに誘うミミである。アパートでコカインを始めようとしていたとこ ろに、警官のバーニーがドアを叩き、ミミは慌てて床の下にコカインを隠し、コンラッドに逃げるように合図するが、ドアを壊されて警官たちに踏み込まれてしま う。そして、バーニーは家宅捜査を始めるが、コカインは見つからず、ミミを警察に連行する。その後、コンラッドは床の下からコカインを持ち帰り、鑑定させると かなり純度の高いものと判明する。どこのルートかはっきりしないが、ファロンが怪しいということでファロンの会社を調査し、最近多額の資金が入り、コカイン で潤っているのではとコンラッドは推測する。そして、コンラッドはミミの保釈金を積み、ファロンのコカインの出所を聞こうとするが、ミミはファロンから聞いてと 答え、コンラッドはミミを連れてジムのところに行く。しかし、ジムは遠くへ行けとミミを相手にしないが、銃で脅すミミと揉み合っているうちにジムはミミを射殺 してしまう。今度は、コンラッドに銃を突きつけられ、ジムはウイリーの研究所に案内する。そこでコカインの合成製造機を見て眉唾だとコンラッドは疑い、結晶 を舐める。そして、テスト用具を持ってこいとスタンレーを電話で呼び出し、怪しいと感じたスタンレーはこのことをリードに連絡をする。研究所に来たスタンレー は素晴らしいと褒め、合成に新たな触媒を見つけたとウイリーはスタンレーに顕微鏡を見せて説明する。そこへバーニーが踏み込み、全員を逮捕しようとする と、コンラッドは必死になってバーニーを買収しようとする。ウイリーが500キロだったら半日か1日で作れると言うとバーニーもその気になる。お金を渡されて 帰ろうとするスタンレーをバーニーは射殺したように見せかけるのだ。その後、ベーカーとの取引で500万ドルの現金を見たジムとウイリーが銃を見せて裏切 り、死んだはずのミミも現れて500万ドルを持ち逃げしてしまうのだ。これには2000万ドル相当のコカインが手に入ったとコンラッドは喜ぶが、ウイリーの作 ったコカインがすべて砂糖であることが判明し、残されたバーニーとコンラッドを殺そうとするベーカーらに、9時まで用意してみせるとバーニーは時間稼ぎをす る。追い詰められたコンラッドはラローカのコカインを狙うが、コンラッドに不信感を持つリードはスティーヴに尾行をさせる。そして、コンラッドはラローカの手下 よりコカインの隠し場所がエームス美術商の彫刻の中と聞き出して射殺してしまう。ミミはこれを聞き、ジムに連絡するとともに、署長にフリケットゴルフクラブ に卸元のラローカが行くと電話する。その後、エームス美術商に着いたコンラッドは、店員より1500ドルで彫刻を買おうとするが、そこへとんでもないことをし てくれたなとリードがやってきて銃を向け、さらにそこへ警官隊が踏み込むのであった。
【解説】「500万ドル麻薬合成計画」では巨大なIMFの秘密兵器が登場する。部屋一つ分はありそうなコカイン合成製造機だ。ウイリーが魔薬を製造するとい うのは、本シリーズのはまり役になったようで、第4シーズンの「黒いファイル」でも見られる。また、ケーシーがいなくなってしばらく時間が経つが、本エピソー ドでもジムはケーシーがヨーロッパで長期にわたって任務をしていることに触れて、さらに、今回ジムが扮するナイトクラブ経営者の重要な情報をケーシーか ら得たということを説明する。
 IMFの今回の任務は、コカインブローカーであるリードと卸元のラローカ間の現物を押さえることだが、リードの手下コンラッドに的を絞る。ミミが巧みにコカイ ンをコンラッドに掴ませ、そのコカインの純度が高いことから興味を持たせる。そして、ルートを探らせてナイトクラブ経営者ジムのところに辿り着かせるのであ る。ジムとミミが仲間割れをしてジムがミミを射殺するのを偽装した後、コンラッドをウイリーの研究所に連れて行き、コカイン合成製造機を見せる。これを信じ たコンラッドはウイリーに500キロのコカイン製造をオーダーするのだ。
 ところが、客との取引で多額の現金を見たジムとウイリーが裏切り、死んだはずのミミも現れて500万ドルを持ち逃げしてしまう。さらに、ウイリーの製造し たコカインがすべて砂糖であることが判明する。客からも銃を突きつけられ窮地に陥るコンラッドは、ボスを裏切ってラローカのコカインを狙う破目になる。ここ までのコンラッドに対するIMFの追い込み方がものの見事に描かれている。また、IMFの製造した魔薬が魔薬でなく他の物に変えられていたという展開は、 第2シーズンの「未亡人は二度生まれる」と同様である。


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