スパイドラマ倶楽部・別館-スパイ大作戦専門館



エピソードガイド7



163 水爆仕掛人 Ultimatum
【目的】セットされた水爆の所在を突き止め、爆発を未然に防ぐこと
【指令】おはよう、フェルプス君。 著名な原子物理学者ジェローム・クーパー博士がこのほど合衆国大統領宛に親書を送り、次の二つの要求を容れぬ場合 には、すでに国内某所にセットしてある50メガトン水素爆弾を明日正午に爆発させると言ってきた。要求の第一は別表に掲げた国会議員11名・FBI長官ら を退けそれぞれクーパーの指名する人物に替えること、第二はわが国の外交政策を180度逆方向に転換させること、以上二つである。
 そこで君の使命だが、セットされた水爆の所在を突き止め、爆発を未然に防ぐことにある。例によって君もしくは君のメンバーが捕らえられ、あるいは殺され ても当局は一切関知しないからそのつもりで。なお、このテープは自動的に消滅する。 成功を祈る。
【スタッフ】
原案: シャール・ヘンドリックス&ハロルド・リビングストンShirl Hendryx & Harold Livingston
脚本: ハロルド・リビングストンHarold Livingston
製作: バリー・クレーンBarry Crane
監督: バリー・クレーンBarry Crane
【ゲスト出演】
ジェローム・クーパー博士:マレー・ハミルトンMurray Hamilton as Dr. Jerome Cooper
アドレ・クーパー:マドリン・ルーMadlyn Rhue as Adele Cooper
ジョエル・モーガン:ドネリー・ローデスDonnelly Rhodes as Joel Morgan
フランク・タゲット:ヴィンス・ホワード Vince Howard as Patrolman Frank Dagget
カール:フレッド・ホリディ Fred Holliday as Carl
リサ:ジュディ・M・ブラウンJudy M. Brown as Lisa
巡査部長:ロバート・リージョンネアー Robert Legionnaire as Police Sergeant
ジャック:デイル・ターターDale Tarter as Jack
フレデリック・ロジャー:ヴィック・ヴァラロVic Vallaro as Frederick Rogers
【場所】@指令(媒体):アーチ状の建物の前に置いてあるリアカーの中からオープンテープレコーダーを取り出す
A舞台:ロサンゼルス
【役割】ジム:マイク・ライアン
ミミ:マドリン・ロイス
バーニー:リッチー
ウイリー:トム(ガソリンスタンド店員)
【道具】@ラジエーター破壊装置
Aカーラジオの盗聴機
【見所】(03分20秒)マンホールから地下水道に入り、コックを開けて水爆をセットするクーパー博士
(08分40秒)大統領補佐官ジャックが博士に電話をし、ウェストホワイトハウスで会う約束をする
(14分50秒)修理して5分かかってると博士が金をちらつかせるが、ウイリーは請求書を出すと言う
(16分10秒)ジムとミミが押し入り、ウイリーとクーパー博士を人質に取る
(19分00秒)クーパー博士の妻アドレが配送業者を倒し、車に乗って脱出する
(25分50秒)銃を捨てろと言いジムとミミに銃を突きつけるクーパーは、ジムに銃を取られてしまう
(28分20秒)クーパーの電話した相手がロサンゼルスのロジャー社長と判明する
(32分40秒)ロジャーの死をニュースで聞き、水爆が爆発すると焦るクーパー博士
(38分10秒)ウイリーが背後から犯人に飛びかかって殴り倒し、ジムが助かったと礼を言う
(42分30秒)地下水道に入った三人にアドレが発砲し、ジムがこれを阻止する
(44分30秒)あと5秒というところでクーパー博士がタイマーを解除する
【疑問点】@クーパー博士の妻アドレはロジャーを殺したり、タイマー解除にきた三人に発砲したが、水爆とともに死ぬつもりだったのか?
【粗筋】博士以外にどんな人物がいるのかを十分注意するのと、爆発まであと15時間半とジムはメンバーに指示を与える。本部では可能性のある全地域の 地図と警官隊を配備し、大統領補佐官のジャックがクーパー博士に電話を入れ、ウェストホワイトハウスで会う約束をする。IMFはマイク・ライアンの強盗殺人 事件をラジオで流し、ウイリーがクーパーのラジエーターをスイッチで破壊する。そして、ウイリーの店にやってきたクーパーは休憩を店で取る。そこへジムとミ ミが強盗の犯人として店に押し入り、ウイリーとクーパー博士を人質に立てこもる。一方、クーパーの妻のアドレは配送業者を倒して、配送業者に変装して配 送業者の車で脱出する。ラジオでは有力な議員数名が大統領から緊急召喚されているというニュースが流れ、電話をかけたいと言うクーパー博士に対して、 ジムは警察にかけるのだろうと言ってかけさせない。隙を見て、銃を捨てろとジムとミミに銃を突きつけるクーパー博士だが、物音に驚いた隙にジムに銃を取 られてしまう。そして、ジムは50万ドルくれたら電話していいと許可し、クーパー博士は電話をする。その電話番号から相手はロサンゼルスのフレデリック・ロ ジャー社長と判明するが、外に出たところをアドレに射殺されてしまう。この事態にバーニーはロジャーの死をニュースで伝え、クーパー博士の反応を見ようと 言う。そして、ニュースを聞き、水爆が爆発してしまうとクーパー博士は焦るが、突然、何者かに発砲されて銃撃戦になり、ウイリーが芝居して逃げるところを ジムが射殺したように見せ、ウイリーは外を警戒する。ジムが銃で注意を惹きつけているうちに、ウイリーが犯人の背後から飛びかかって殴り倒すのだ。その 後、バーニーのヘリコプターが到着し、ジム、ミミ、クーパー博士の三人を乗せてロサンゼルスに向かう。市の中心部にヘリコプターが向かうのを見て、本部で は警官隊の移動を指示する。そして、市庁舎の屋上にヘリコプターを止め、三人が地下水道に入ったところをアドレが待ち伏せしており、発砲するのをジムが 阻止する。あと1分で爆発という緊迫した中、一生懸命になってクーパー博士はタイマーを解除しようとし、秒読みを開始したジムの声が5になったところで、 タイマーを無事解除する。これがあれば世界は手の内だと言うクーパーだが、これを聞いたアドレは大きな声を出して笑い、見てよと言うと警官隊が突入して くるのであった。
【解説】時限装置がセットされてしまった後の核爆弾の登場は、第4シーズンの「時限原子爆弾」以来のもので、今回は、爆発までの15時間半と限られた時 間でセットを外すまでのIMFの活躍がスリリングに描かれている。国家的な緊急事態でもあるため、当局の全面的なバックアップを得るが、作戦はIMF主導 で展開されるということは、それだけ当局側からも信任を得ているという証明でもある。
 当局も注目する中、IMFの取った作戦は、ジムとミミが強盗犯に扮し、ウイリーの店で休憩しているクーパー博士を人質に立てこもる。クーパーの要求する 二つの条件をラジオ放送した後、納得したクーパーは水爆を解除する人物に電話するが、その人物が射殺されてしまう。このことを知ったクーパーは、このま まだと水爆が爆発してしまうと焦りに焦るのだ。そして、クーパーが自分で解除しに行こうとするが、邪魔者が入って命を狙われる。ジムとウイリーの機転で 邪魔者を倒し、バーニーのヘリコプターが到着する。
 ヘリコプターの進行方向からロサンゼルスの中心部に警官隊の大移動がなされ、結局、市庁舎の屋上にヘリコプターを止めて地下水道に入るのだ。する と、クーパーの妻が待ち伏せしておりクーパーの命が狙われるが、ジムがうまく取り押さえる。そして、あと1分で爆発という緊迫感の中、クーパーは必死に なってタイマー解除に専念し、爆発5秒前のギリギリのタイミングで解除するのであった。クーパーはまだその水爆を再利用することを考えていたようだが、そ れも束の間のことになるのであった。
 ミミ役で活躍したバーバラ・アンダーソンは、このエピソードで終了になるのは残念である。タフで勇気ある女性エージェントを記憶に残るような見事な演技 力で見せてくれた。彼女の最後の任務になることは、劇中では例によって何の説明もされない。


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