スパイドラマ倶楽部・別館-スパイ大作戦専門館



エピソードガイド7



164 指令なき作戦計画 Kidnap
【目的】休暇中に拉致されたフェルプスの救出と、シンジケートのボスを有罪にし得る手紙を奪取すること
【指令】なし
【スタッフ】
脚本: サム・ローカ&ジェームズ・L・ヘンダーソンSam Roeca & James L Henderson
製作: バリー・クレーンBarry Crane
監督: ピーター・グレイヴスPeter Graves
【ゲスト出演】
アンドル・メツガー:ジョン・アイルランドJohn Ireland as Andrew Metzger
ミッチェル・コナリー:チャールズ・ドレイクCharles Drake as Mitchell Connally
ホークス:ジャック・ギングJack Ging as Hawks
プロクター:ジェフリー・ルイスGeoffrey Lewis as Proctor
エクワース:マーク・ハンニバルMarc Hannibal as Eckworth
サンドラ:アーライン・アンダーソンArline Anderson as Sandra
未亡人:モンティ・マーゲッツMonty Margetts as Dowager
ヘンゼル:グレン・R・ワイルダーGlen R. Wilder as Henzel
警備:チャック・ヒックスChuck Hicks as Security Guard
アームスビー:エドモンド・ギルバートEdmund Gilbert as Armsby
【場所】@指令(媒体):なし
A舞台:アメリカ国内
【役割】ジム:フレッチャー
ケーシー:フォルブルック
バーニー:ダグラス・ハーディング→エレベーター管理会社員→タクシー運転手
ウイリー:鍵のコピー作成
【道具】@10万ドル相当の宝石
A速乾性プラスチック:貸金庫のマスターキーのコピー作成
B型取り:コナリーの鍵のコピー作成
C車をパンクさせる器具
【見所】(02分00秒)バーニーがメツガーに呼び出され、ジムが二人組に殴られ連れ去られる
(04分50秒)アンドレ・メツガーよりミッチェル・コナリーからの手紙を取り戻せと強要されるバーニー
(11分30秒)ケーシーが貸金庫室で注射液でプラスチックを注入し、マスターキーの合い鍵を作る
(22分10秒)正規のエレベーター点検係が現れ、ジョンはバーニーを探しにいく
(23分10秒)ケーシーがエレベーター内で暴れて、コナリーのポケットから鍵を盗んでウイリーに渡す
(24分30秒)ケーシーが型を取った後、鍵をコナリーのポケットに返す
(29分10秒)地下室にある電熱線のスイッチを押し、ジムは手錠を切る
(33分20秒)6901Aの金庫から手紙を取り出すケーシー
(41分10秒)シカゴターミナルアネックス2000、1963年9月9日の消印とバーニーが告げる
(43分30秒)ホークスが手紙を持っていると入ってきて、ケーシーが叫びジムが物を投げ停電にする
【疑問点】@IMFはマスターキーとコナリーのキーのコピーを別々に取るが、一度に両方を取ってしまう方法もあったのでは?
【粗筋】休暇をテニスで楽しむジムとバーニーであるが、バーニーが呼ばれた隙にジムが二人組の男に襲われて連れ去られてしまう。バーニーの前に現れた アンドル・メツガーは、少し前にIMFによってアクエアリス・カジノを荒らされ、売上の400万ドルとシンジケートの政治活動のフィルムを盗まれたとして、二人 をつけ回していたと言う。そして、バーニーにミッチェル・コナリーの持っている手紙を6時間以内に取り戻せば、ジムを返すと条件を提示し、その手紙はウェス トランドナショナル銀行6901Aの貸金庫の中にあり、取ったら電話をくれと電話番号のメモをバーニーに渡す。そこでケーシーはウェストランドナショナル銀行 に宝石を預けると告げて貸金庫を開設し、隙を見てマスターキーのコピーを取る。メツガーの屋敷の元防空壕である地下室に監禁されたジムは、ベッドを倒し て脱出することを考えるが、メツガーは手下のプロクターに奴を甘く見るなと言い、何度も様子を見にいかせる。一方、バーニーはコナリーのいるビルのエレベ ーター管理会社の社員を装い、配電盤の細工をする。ミッチェル・コナリーは手紙を渡すことの条件として、自分が起訴されないことを主張してワシントンから 許可を得る。そして、金庫室の鍵を持って銀行に出かけようとするコナリーは、エレベーターに乗り、ケーシーとウイリーも同じエレベーターに乗り込み、合図 でバーニーがエレベーターを止めるのだ。ケーシーは閉所恐怖症を演出して暴れ、コナリーの上着のポケットから巧みに鍵を盗んでウイリーに渡し、ウイリー が鍵の型を取った後、再びケーシーに渡し、ケーシーは暴れたふりをしてコナリーのポケットに戻すのである。さらに、バーニーはコナリーの乗る車のタイヤを パンクさせ、バーニーの運転するタクシーにコナリーと警官二人を乗せて銀行への到着を遅らせる。ケーシーは3時5分前に銀行に着き、咳き込んで行員に 水を頼んだ隙に、6901Aの金庫を合い鍵で開け、中に入っている手紙を取ってバッグの中に入れるのだ。行員が戻ると、ケーシーはまた出直してくると言い 残し、銀行から出るところをホークスらに襲われて手紙を奪われ、ウイリーが追いかけるが逃げられてしまう。その後、コナリーが金庫室にやってくるが、手紙 が見つからないことで逮捕されてしまう。バーニーはメツガーに電話をかけると、手紙を持ってこいと言うことから、手紙を盗んだのはメツガーでないことが判 明する。そこでバーニーは手紙を偽造しようと提案し、ケーシーの記憶を頼りに宛名はミッチェル・コナリー、宛先はシカゴターミナルアネックス2000、1963 年9月9日の消印ということにして、予定より遅れてメツガー邸に到着する。バーニーはメツガーに宛名と宛先と消印の日付を告げると、それに間違いないとメ ツガーが答える。すると、プロスターに銃を向けさせるが、封の中味がなく、"俺たちもプロだ、人質の無事を確かめたい"とバーニーが要求し、"そしたら、すぐ 電話をして届けさせるがいかが?"とケーシーが続けると、メツガーも了解し、三人をジムのいる地下室に案内する。地下室に入ったところで、ホークスが押し 入ってきて、手紙はここにあると示してジムらを皆殺しにすると言うと、ケーシーが大声で叫び、ジムも物を投げて停電させてしまう。そして、ホークスより手紙 を取り上げるIMFである。いくら欲しいとメツガーが聞くが、ジムは"いただいているよ"と答えるのであった。
【解説】この「指令なき作戦計画」では、タイトルが示すように通常の任務ではなく、休暇中のジムとバーニーが巻き込まれた事件である。第6シーズンの「シ ンジケートから来た男」でIMFはアクエリアス・カジノを荒らしたが、今回、そこのボスであるメツガーによってジムが拉致されてしまう展開になる。そういった 意味では、「シンジケートから来た男」の続編になるのだが、登場する人物はメツガーを始め前回とは全く違った面々で、IMFに対する単なる復讐というので はなく、IMFの優れた能力を逆に利用するという全く違った方向に展開される。ジムが拉致監禁された設定ということもあるが、いつもと違ってピーター・グレ イヴスの登場シーンが少ないのは、ピーター・グレイヴス自身の監督作品になっており、これは本シリーズ唯一のものである。また、休暇中にジムが拉致さ れてしまうのは、第2シーズンの「第三の町」以来である。
 ジムを拉致した後、メツガーはジムとの交換条件として、自分を有罪にする物的証拠になるコナリーの手紙を貸金庫から盗み出すようにバーニーに指示す るのだ。早速、バーニーがリーダーとなって、ウイリーと今回から復帰したケーシーを呼んで作戦が開始される。
 ケーシーのスリの技術が今回の任務に非常に役に立つことになる。IMFが貸金庫から手紙を盗むには二つの鍵のコピーが必要で、一つは銀行のマスター キー、もう一つはコナリーが所持するキーである。銀行では、ケーシーが喘息のふりをし、行員の隙をついてマスターキーの型を入手するのだ。同じ手法でコ ナリーのキーの型も取れたと思うが、行員の隙の時間がなかったのか、コナリーのキーはエレベーターの中で行われる。バーニーの工作でエレベーターが停 止し、今度は閉所恐怖症をケーシーが演じて暴れ、巧みにコナリーのポケットから鍵を抜いて、型を取ってから元の位置に戻す作戦が取られた。
 バーニーはコナリーの乗る車をパンクさせ、自身が運転するタクシーに乗せてのろのろ運転をして銀行への到着を遅らせる。先に着いたケーシーは、再度 喘息発作を偽装し、水を取りにいった行員が離れた隙に手紙を貸金庫から着服してしまう。ところが、ケーシーが銀行の外に出たところを何者かに盗まれて しまい、バーニーはコナリーの手紙の偽物を作って、IMFはメツガーの屋敷に向かうのである。
 フィナーレでは、IMFが敵よりも二枚も三枚も上手であることを見せつけてくれる。封の中味がないことに対してバーニーは俺たちもプロで人質の無事を確 かめたいと堂々と言って見せ、手紙を盗まれたことのハンディキャップを微塵とも見せない。地下室で手紙を盗んだ犯人が現れて、IMF全員に銃を向けて皆 殺しと言うと、ケーシーが大声を張り上げると同時に、ジムが物を投げてショートさせ停電にし、その間に形勢が完全に逆転してしまうのだ。最後に、メツガー がいくら欲しいと金で手紙を買おうとするが、ジムはいただいているよと見向きもしない。そして、何事もなかったかのように再びヴァカンスを楽しむジムとバー ニーであった。


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