スパイドラマ倶楽部・別館-スパイ大作戦専門館



エピソードガイド7



165 カラクリを叩きつぶせ Puppet
【目的】犯罪シンジケートの新企業の内容を突き止め、これを粉砕すること
【指令】おはよう、フェルプス君。 犯罪シンジケートのボス、ポール・オストロは麻薬にギャンブル・売春にゆすりと幅広く悪の企業に手を染めているが、一月 ほど前猟銃の暴発事故にあって顔面を負傷、以後寝たきりの生活を続けている。このため外界との折衝は一切弟のレオが取り仕切っているが、ポールの負 傷以来オストロファミリーが目下何十億ドルにのぼる新しい犯罪企業を計画中という噂がしきりである。
 そこで君の使命だが、その新企業の内容を突き止め、これを粉砕することにある。例によって君もしくは君のメンバーが捕らえられ、あるいは殺されても当 局は一切関知しないからそのつもりで。なお、このテープは自動的に消滅する。 成功を祈る。
【スタッフ】
脚本: リー・ヴァンスLeigh Vance
製作: バリー・クレーンBarry Crane
監督: ルイス・アレンLewis Allen
【ゲスト出演】
レオ・オストロ:ロディ・マクドウォールRoddy McDowall as Leo Ostro
ラリー・ガルト:ジョン・ラーチJohn Larch as Larry Gault
オーギー・リッチ:ヴァル・アヴェリVal Avery as Augie Leach
ハンク:リチャード・デヴォンRichard Devon as Hank
カリド:ジョセフ・ラスキンJoseph Ruskin as Khalid
ポール・オストロ:ジョン・クロフォードJohn Crawford as Paul Ostro
ゼロス:ルイス・チャールズLewis Charles as Sam Zercos
フスコ:ケン・スコットKen Scott as Fusco
旅行代理店女性:シャーリー・ワシントンShirley Washington as Girl Travel Agent
警官:ジョー・ハワースJoe Haworth as Police Officer
警備:コリン・G・メイルColin G. Male as Guard
【場所】@指令(媒体):ある部屋のテーブルの下からオープンテープレコーダーを取り出す
A舞台:アメリカ国内
【役割】ジム:ジョン・ハンター
ケーシー:マンソン
バーニー:フォルト(調理師)
ウイリー:地下配電盤の工作→ファラディー医師
カリド:例の長官
ハンク:ポールに変装
【道具】@薬:心臓発作を引き起こす薬と解毒剤
A特殊バッグ
B時計型カメラ
【見所】(01分20秒)レオが猟銃を兄のポールに向けて発射する
(10分30秒)ポールはジムのことを知らないと言い、儲け話を他へ持っていくというのをレオが止める
(15分40秒)ラリーはアクソにホテルに行きケーシーをさらえと指示する
(20分10秒)空港へ行こうとするケーシーにアクソが銃を突きつける
(25分10秒)一服盛られたかと疑うレオはバーニーにドリンクを飲めと指示し、それを飲むバーニー
(29分10秒)レオは取引が終わったら400万ドルスイスの銀行に今晩行くとケーシーがラリーに言う
(34分10秒)ウイリーの車にバーニーが眠っているポールを入れる
(38分30秒)レオとジムがホテルから出てきたところをラリーに呼ばれる
(39分10秒)ウイリーがポールの包帯を取ると、ジムの予想通り替え玉だわとケーシーが言う
(41分30秒)包帯を取るとポールの顔が現れ、入れ墨もあることからレオは驚く
【疑問点】@心臓発作を起こす薬をポールに飲ませたバーニーは、どうしてドリンクをすぐ処分しなかったのか?後で自分が飲まされる羽目になる。
【粗筋】一人100万ドルずつ払えば12倍にして返すとシンジケートの幹部を集めて新事業についてレオは語るが、その内容については一言も明かさない。 ジムはジョン・ハンターとしてケーシーとともにポールを訪ねるが、ポールは記憶にないと言う。3カ月前にポールに250万ドルの儲け話をしたが、他にこの話 を持っていこうとジムが言うと、レオは代わりに聞くと乗ってくる。ジムは例の長官が石油をさばくことに同意して利益は250万ドルに及ぶと説明をし、レオに ラクストンホテルの417号室に来るように伝える。そして、ジムとレオはホテルの部屋で長官カリドと50万トンの石油を西ヨーロッパに出荷する書類を見せ、 輸出許可書がないと言うレオに、ジムはケーシーに空港へ取りにいくように指示をする。リッチより女は薬中毒との情報を得たラリー・ガルトは、アクソにケー シーを捕まえるように指示を出し、空港へ行こうとするケーシーを拉致してしまう。一方、バーニーは調理師としてポールの屋敷に入り、ポールに心臓発作を 起こす薬をミルクセーキに混ぜて飲ませる。そして、ウイリーが医師としてやってきて、ポールの入れ墨を時計型カメラで盗撮する。その後、これは一服盛ら れたかと疑うレオは、バーニーを呼びつけてドリンクを飲めと指示し、バーニーは飲むが、心臓の発作を我慢するバーニーはやっとの思いで解毒剤を飲む。ウ イリーはフィルムを現像してハンクに入れ墨を書き、ポールに変装させる準備を手伝う。捕らえられたケーシーはラリーに注射を見せびらかされ、レオは取引 が終わったら400万ドルをスイスの銀行に入れて、今晩スイスに行くと吐くのである。屋敷ではレオが外出した後、ウイリーがポールを眠らせて、リッチに車 へ診療カバンを取りにいってもらう隙に、ポールに変装したハンクがロープで屋敷の2階によじ登ってすり替わり、ポールを下に降ろして、リッチが車から診療 カバンを取り出してから、バーニーがウイリーの車のトランクにポールを押し込む。そして、ウイリーとハンクは400万ドルをアタッシュケースの中に入れる。ホ テルではレオが書類を見ても内容がわからないので、持ち帰って専門家に見せたいと主張するが、長官はこの部屋だけにしてくれと言うものの、ジムが同行 してポール宅に行くことで同意を得る。しかし、ジムとレオがホテルから出てきたところをラリーに呼ばれ、ポールの屋敷でアタッシュケースを開けると、400 万ドルとレオ名義の航空券が見つる。そこで、ポールかどうか見てやろうとポールの包帯が取られると、やけどしたポールの顔が現れるのである。お終いだ なとポールに言われ、弟のくせに俺を撃って無理矢理計画を押しつけたんだとポールは弁解をする。これを聞いたラリーは連れていって放り出せ、死体の始 末はちゃんとしろと手下に指示する。これに対してレオは、はめられたんだ、南アフリカのある国の札を偽造するために原版を作り、印刷機はこの地下にある と新事業の内容を告白する。そして、一同が地下室に行き、印刷機を見ているところへ警察隊が踏み込むのであった。
【解説】この「カラクリを叩きつぶせ」では、シンジケートボスである兄ポールを殺害した弟レオが、兄の替え玉を据えており、そのことは誰も気がつかないが、 ジムは当初からそのように読んでいたのである。それゆえ、IMFの取った作戦も兄の替え玉の線で進められる。
 バーニーが調理師として敵の屋敷に潜入するのは、第3シーズンの「幻の契約書」でも見られる作戦だ。ジムとケーシーはレオに大きな石油の儲け話を持 ちかけ、レオをその気にさせるような作戦を次々と展開する。薬物中毒をケーシーが匂わせてガルトの指示で拉致され、レオは取引が終わったら、400万ド ルをスイスの口座に入れて今晩スイスに行くことをガルトに仄めかす。
 バーニーはポールに心臓発作を起こす薬をミルクセーキに混ぜて飲まし、心臓発作の症状が起こると、ウイリーが医師として登場してポールの刺青の写真 を撮る。ここで、IMFは大きなミスを犯す。一服盛られたと疑うレオは、ポールが飲んだミルクセーキをバーニーに飲めと命じるのだ。どうしてバーニーはミルク セーキを処分しなかったのか疑問に残るところだ。バーニーはレオの前では平静を装うが、レオが何でもないと確認して離れると、バーニーが洗面所に猛突 進する様子が面白く描かれている。その後、ウイリーとバーニーは、ポールを眠らせてIMFのポールに変装した人物とすり替えてしまうのだ。
 一番の見所は、ポールの屋敷でガルトの目の前で400万ドルとレオ名義の航空券が発見され、ポール本人かどうか見てみようということになって包帯が 取られる瞬間である。ポールの顔の出現に驚くレオに、ポールは俺を撃って無理やり計画を押しつけたとガルトに弁解するのだ。ガルトは死体の始末はちゃ んとしろと手下に指示すると、レオは新事業の内容を自白して、皆を地下室に案内したところを警察が踏み込むのである。
 特に、替え玉を据えていたレオが、包帯を取って出てきたIMFのすり替えたポールの顔を見た瞬間の驚きようは、筆舌に尽くし難いほどだ。恐らく、第1シー ズンの「第四帝国を阻止せよ」では、ルッドが指揮官の人形を据えていたが、ローランが指揮官として登場した際、ルッドの見せた驚きと同様のものであった に違いない。


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